道化師のワルツ
どうしようもなく笑いが込み上げてきた。
何がそんなに可笑しいのか自分でもよく理解らなかった。
ただ、今は笑うことしかできないことだけは理解った。
そこに座っているあいつを見たとき。
思わず『うそだ』と呟いている自分がいた。
それは事実として確かに目の前に存在しているのに、それを決して認めたくない自分がいた。
でも、それと同時に、頭の片隅の方で、なんとなく、納得している自分もいた。
だってシンジュクのとき奴は人を助けた。
戦闘中だというのに、理解できなかったあのときの行動。
それがあいつだったというなら納得できる。
ナイトメアの動きだって、よくよく考えればあいつの動きに似ていた。
俺は何を分析したつもりでいたんだ。
技術部だと言う割りに怪我をして登校してくることもあった。
それでも、それは軍に所属しているのだから訓練でもしているのだろうと、曖昧に考えていた自分に反吐が出る。
可能性を全て考慮すれば辿り着かないことはなかった。
ただ考えたくなかっただけなのか。
敢えて気付かない振りをしていただけなのか。
今はもう解らない。
今はただ、狂ったように笑うことしかできない。
何も考えたくない。
どうせ。
どうせここから降りれば嫌というほど頭を働かせなければならなくなる。
ルルーシュとして。
ゼロとして。
だから。
だからせめて今だけは。
頭の中を空っぽにさせてくれ。
何も考えたくない。
何も考えたくない。
ただ今頭に浮かぶのはスザクの微笑ってる顔だけ。
スザク。
スザク。
お前に助けを乞うてしまいそうになる俺を愚かだと嘲笑ってくれ。
一番最初に書いたギアス話。
今見るとなんだかとっても微妙ですが、ギアス処女作ということで恥を捨ててアップ。
ていうか最初からうちのルルはヘタレってことがこれで分かったわけですね!(痛)